エヴァンゲリオンと出会ったのは中3の頃だった。
本放送は僕が中2のときにやっていて、1年遅れで友達の家でビデオを観させてもらった(世代の違う人たちからするとピンとこないことだろうと思うけれど、このへん同い年でもリアルタイムでシンジたちの年齢という経験をした人とそうでない人の間にはなかなか埋めがたい差があるように感じる)。凡庸な中学生には大した考察もできなかったけれど、とにかく皆と熱く語り合ったし、限られた小遣いでグッズも買い漁った。旧劇場版も友達と観に行ったし、受験勉強と同じぐらいエヴァに時間も費やしたように思う。
大人になってからも、何だかんだエヴァのグッズはちょいちょい買っていたし、もちろん新劇場版も全部観たし、この四半世紀にわたってエヴァとの縁が切れたことはなかったように思う。わかりやすくはないかもしれないけれど、きっと創作にも影響が出ていただろうと思う。というか、僕の中にはいつもどこか世の終末を思い続けている節があって、それは紛れもなくエヴァを観て育ったからこそのものだと思う。それは一種、病のようなものであって、エヴァンゲリオンの物語が終焉を迎えるそのときまで治ることはない、そんな気がしていた。
それで結局、シンエヴァを観たことで病は癒えたのか、というと、まだよくわからないというのが正直なところだ。けれど、少なくとも僕の中で何かが動き出したような感覚はあって、今までよりもっと明るい未来を見据えていけそうな、そういう感触が芽生えたことを自覚している。
新世紀エヴァンゲリオンを愛するすべての人が、幸せになれる作品かどうかはわからない。けれど、少なくとも僕にとっては25年間追い続けた甲斐があったと思える幕引きだったし、迷っているなら早く観ておけと背中を押したい。そういう気持ちにさせられる映画体験だった。